前回は目標10まで解説したので、今回は11から13を解説します。
SDGsってそもそも何?という人はこちらの記事を読んでから!
目標11 住み続けられるまちづくりを
都市や人間の居住地をだれも排除せず安全かつレジリエントで持続可能にする
レジリエントっていう言葉、あんまり聞いたことないですよね。
目標9にも出てきたこの言葉、ぜひこの機会に知ってください。
レジリエントは、いち早く元の状態に回復できる力のことです。
自然災害や紛争で破壊されてしまっても、すぐ元に戻せる復興力を高めよう、ということですね。
実はいま、世界人口の半分以上が都市部で暮らしていて、2050年までに、都市人口は全人口の3分の2(約65億人)に達する見込みなんです。
都市がレジリエントでなかったら、洪水で学校・病院すべて流されてなかなか建て直せないってなると、多くの人がさらに貧困、飢餓に陥って、教育、医療へのアクセスがもてなくなってしまいます。
目標12 つくる責任つかう責任
持続可能な消費・生産形態を確実にする
今の大量生産・大量消費の生活を維持するなら、2050年までに、地球3つ分の天然資源が必要といわれています。
また、現在日本では年間646万トンもの食品ロスがあって、その量は国連世界食糧計画(WFP)の食品援助量の2倍です。
この目標12は、私たち個人が実践できることがたくさんありますよね。
使い捨てペットボトル・ストローをできるだけ使わない。食べきれないご飯は買わない。エアコンはこまめに消す。
安い服をたくさん買ってすぐ捨てるのをやめる。環境に配慮してるブランドを選ぶ。などなど。
ファストファッションの問題を書いてる記事・コットンの原料の綿花生産の裏側を書いてる記事もあるのでみてみてください。
安い服買って、着なくなったら寄付したらいいんじゃないの?と思ってるひとは、この記事もぜひ読んでみてください。
SDGsは2030年までに達成するべきゴールで、主体は私たちも含まれてるんでしたよね。
ちょっと意識して、行動を少し変えてみてください。
目標13 気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
気候変動が起こると、真っ先に大きな被害にあうのが貧困層です。
先進国に住んでる人は、常にエアコンや丈夫な家、ライフラインや食糧へのアクセスがありますよね。台風がきても学校がさぼれるラッキー、くらいかもしれません。
また、トップ富裕層は、大きな気候危機に備えて、避難シェルターを用意しています。
でも、貧困層にとっては、命にかかわることなんです。
途上国で洪水が起きれば学校や病院が流され、なかなか元に戻せなかったり、食料不足で飢餓になったり、そのせいで紛争が増加している地域もあります。
詳しくは前の気候アパルトヘイトの記事をみてください。
パリ協定では、「世界的な平均気温上昇を産業革命前(1880年)に比べて2℃以下に抑えることを目標とし、1.5℃以下に抑制することを努力目標とする」と決めています。
温度が上昇すると、大型台風の頻発、食糧不足による飢餓、伝染病の拡大など、いろんな問題が起こり、特に途上国の生活に大打撃となります。
そして危険ラインの2℃は、人間がなんとか自然と共存して耐えられる限界レベルといわれています。
コラム
目標12の「つくる責任つかう責任」は普段の生活で私たちがいちばん意識しやすく、取り入れやすいんじゃないでしょうか?
大量生産・大量消費の構造を変えない限り、世界の貧困問題や気候変動危機から脱却することはとても難しいのに、SDGsをうたいながらも大量生産・大量消費を促す企業が多いのが現実です。
この本もおもしろかったので気になる人は読んでみてください。
私たちの服や食べ物、スマホ、電気自動車がどのように作られているか、まずは知ってほしいな、と思います。
次回は最後、14-17まで解説します。