前回は目標13まで解説したので、今回は最後14から17を解説します。
SDGsってそもそも何?という人はこちらの記事を読んでから!
目標14 海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために、海洋や海洋資源を保全し持続可能な形で利用する
世界の海は、水温、化学的性質、海流、生物を通じて、地球を人類が住める場所にするシステムをつくっています。
この重要な資源をどう管理するかは、人類全体にとって、そして気候変動の影響への対策にとって、本質的な課題になっています。
30億人以上が、海の生物多様性を頼りに生計を立てています。
でも、今日では世界の漁業資源の30%が乱獲されていて、持続可能な漁獲の水準を大きく下回っています。
海は、人間が作り出す二酸化炭素の約30%を吸収し、産業革命以来、海洋酸性化は26%進んでいます。
この海の酸性化によって、サンゴや貝は成長に必要な炭酸カルシウムを作れなくなってしまい、サンゴ死滅の原因となっています。
2050年の海は、魚よりもプラごみのほうが多くなると言われてて、私たちの日頃の食べ物や飲み物にはすでにプラスチックが入っています。
海洋プラスチックの問題の記事も書いてるので、読んでみてください。
目標15 陸の豊かさも守ろう
陸の生態系を保護・回復するとともに持続可能な利用を推進し、持続可能な森林管理を行い、砂漠化を食い止め、土地劣化を阻止・回復し、生物多様性の損失を止める
人間の生命と生活は海だけでなく、陸地にも支えられていますよね。
植物は人間の食料の80%を提供していて、私たちは重要な経済資源、そして開発の手段として、農業に依存しています。
森林は地表の30%を占め、数百万の生物種にとって必須の生息地や、きれいな空気と水の重要な供給源を提供するだけでなく、気候変動への対処も不可欠です。
現在、地球はかつてない土地の劣化に直面し、耕作地の損失は歴史上のペースと比べて30倍から35倍で進んでいます。
干ばつや砂漠化も年々、深刻化し、全世界で1200万ヘクタールの農地(東京都59個分)が消失し、貧しいコミュニティに影響が及んでいます。
確認されている8300の動物種のうち、8%は絶滅し、22%が絶滅の危険にさらされています。
目標16 平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和でだれをも受け入れる社会を促進し、すべての人々が司法を利用できるようにし、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任がありだれも排除しないしくみを構築する
世界では、紛争、暴力、性暴力、犯罪、搾取、拷問が蔓延しています。
このことは過去の記事でもたくさん書いてるので読んでみてください。
世界の紛争や人身売買は、先進国がいかに関わっているか分かると思います。
アメリカやイギリスは、他国に空爆をして多くの市民を殺しているサウジアラビアに多額の武器を売っていたり、日本企業も人権侵害を行っているミャンマー国軍へ支援していたり、私たちが普段食べているチョコレートやエビも先進国企業が搾取し、安い値段で売られています。
ターゲット8には、「開発途上国がもっと意見を言える世界へ」とあります。
でも、これをさえぎっているのは先進国です。
たとえば、国連にはたっくす不法資本流出のような問題を検討する「税金問題における国際協力に関する専門家委員会」というのが存在して、最貧国・発展途上国はこの委員会を正式に国際機関へ格上げすることを強く求めています。
しかしこれに対して、アメリカ、日本、イギリスなどが強く反対し、実現できないんです。
詳しくは、なぜ途上国は貧困から抜け出せない?闇すぎるタックスヘイブン問題とは?を読んでみてください。
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
実施手段を強化し、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を活性化する
SDGsは、政府、企業、団体、投資家、個人の協力がないと、実現できません。
たとえば、社会や環境に悪い影響を与えている企業には投資しない、と投資家が判断すれば、企業はそれは困る!と思ってその問題を改善しますよね。
政府だけ、企業だけ、個人だけでもなく、それぞれが強みを生かしてパートナーシップを組めば、全体の影響力は大きく上がります。
コラム
なんとなく聞いたことあるSDGsだけど、それぞれの目標については知らなかったな、それぞれにターゲットも設定されてたんだ!って人も多いんじゃないでしょうか?
とりあえずSDGsってつけとけば社会に良さそう!っていう企業がたくさんありますが、そもそもどんな問題が世界にあるからこういう目標が設定されているのかを知ってほしいなと思います。
世界の問題がいまの大量生産・大量消費型のサイクルがあることがひとつの大きな要因ということを理解すれば、先進国がどれだけ世界の問題に加担しているかを知れば、少なくともSDGsが「社会貢献活動の一環」ではなく、全員が本気で取り組まないといけないこと、と認識されるのではないでしょうか?