前回の記事ではSDGsってそもそもなんなのか、そして目標1-3について解説しました。
では、目標4-7を今回はみてみましょう。
目標4 質の高い教育をみんなに
すべての人々に、だれもが受けられる公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
就学率は2015年に91%に達し、全世界でみると、学校に通えていない子どもの数はほぼ半減しました。
サハラ以南アフリカの初等教育就学率は、1990年の52%から2012年には78%へと上昇しました。
でも、西アジアと北アフリカでは、武力紛争の長期化によって、学校に通えない子どもの割合が増えています。
また、ジェンダー、富裕層と貧困層、都市部と農村部の間では大きな格差が残っています。
私たちが日本で教育を受けるのは、いい学校にいって、いい会社にいく、みたいな考えかもしれません。
でも世界では、教育を受けられないことで、読み書きができず貧困から抜け出せなかったり、正しい情報にアクセスできなかったり、そのために虐待や不当な賃金で働かせられたり、とたくさんの問題が今も起こり続けています。
目標5 ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性・少女のエンパワーメントを行う
学校に通う女の子の数は15年前よりも増えて、多くの地域で初等教育において男女平等を達成しました。
農業以外の雇用者に女性が占める割合は、1990年の35%から、現在は41%にまで増えています。
でも、一部の地域では、雇用機会の不平等がまだ大きく、労働市場でも男女間に格差があります。
性的な暴力や虐待、家事労働の不平等な分担、社会の意思決定における差別は、まだ大きな問題として残っています。
以前の記事で解説したFGM(女性性器切除)もまさしく、ジェンダーの伝統的価値観による問題でしたよね。
FGMなんて恐ろしいの遠くの世界の問題だよね、って思いがちですが、根本の問題を考えたら日本でふつうに暮らしてる私たちも、そんな遠い問題じゃないかもしれない、っていう話もコラムで書いてるのでぜひみてみてください。
目標6 安全な水とトイレを世界中に
すべての人々が水と衛生施設を利用できるようにし、持続可能な水・衛生管理を確実にする
全世界の40%もの人が水不足に苦しんでいますが、気候変動の影響によってさらに大きくなることが予測されています。
1990年以来、新たに21億人が改善された水と衛生にアクセスできるようになりましたが、安全な飲み水の供給量減少は、世界中で深刻な問題となっています。
2050年までに、4人に1人以上が慢性的な水不足の影響を受ける可能性が高いと見られています。
水をめぐって紛争が増えている記事も書いているので読んでみてください。
目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
すべての人々が、手頃な価格で信頼性の高い持続可能で現代的なエネルギーを利用できるようにする
1990年から2010年にかけて、新たに17億人が電力を利用できるようになりました。
でも、今でも5人に1人が電力を利用できていません。
また、クリーンであることも大切です。
2019年、世界で約50万人の乳児が大気汚染によって死んでしまっているんです。
大気汚染は世界で4番目に多い死因であり、約670万人が死亡しました。
大人も長期間汚染された空気を吸い込むことで、肺がんや脳卒中などの病気や死亡のリスクを増加させることが明らかになっています。
コラム
ジェンダー平等の具体的な目標に「ICTを活用して、女性がもっと活躍できる社会に」というのがあります。
私がザンビアにいるときも、UNWomen(国連女性機関)が女子生徒を対象にしたICT推進プログラムを実験的にしていて、いま力を入れてる分野だと思います。
ジェンダー平等について話されるときって、なんとなく男VS女みたいな口調になってる人がいて、うーーん、と思うことがあります。
男が悪い、女がかわいそう、とかいう話じゃなくって、男・女だから○○しないといけない、男・女だから○○できない、っていう状況(法律で決められてるとかじゃなくても、社会全体の雰囲気的にっていうのを含めて)が少なくなればいいなっていう話じゃないかなあと、個人的には思ってます。
次回記事では目標8から解説していくので、ぜひみてみてください。