みなさんこんにちは、コクレポです。
2025年向けのフルブライト奨学金募集が始まりましたね。
2024年秋入学のフルブライト奨学金に合格したので、そのTipsを書こうかなと思ったのですが、その前に。
受かった奨学金、落ちた奨学金、社会人向け海外大学院の奨学金にたくさんの労力をかけたので、難易度を超主観でまとめました。
奨学金獲得は大学院合格より大変
私は2023年から大学院に行こうと思ってイギリス大学院(LSE, SOAS)には受かっていたものの、奨学金に合格せず、1年伸ばしました。
今年は、フルブライト奨学金、ロータリー奨学金(2750地区グローバル補助金)、デンマーク用(北欧用)のスカンジナビア・ニッポン ササカワ財団に合格したので、(イギリス用のチーブニング奨学金は書類合格、面接の結果待ち中)この1年で奨学金に合格するコツはちょっとつかめたと思っています!
(奨学金はぜんぶ給付のことを指していて、返さないといけないものは入れてません。)
アメリカもイギリスも、大学院には合格してもなんせ授業料だけで年間600万円以上はしてしまうので、600万円使うなら授業じゃなくてほかのことに使いたいなと考えてしまう私みたいな人も多いはず。
去年は奨学金とれずとっても悔しかったので、できるだけ今年つかんだコツをシェアして、みなさんが少しでもお金に余裕のある留学生活を送れたらなと思います。
ちなみに、私は2020年経済学部卒業、社会人4年目(27歳)、IELTS7.5、日本国籍、女性です。
社会人2年以上なら受けれる、30歳以下なら受けれる、日本国籍なら受けれる、と奨学金にはいろんな制約があるので、同じような人は下記の奨学金応募できます:)
文系社会人向け奨学金受かりやすさ別(2回受けての所感)
ネットをみるとごまんと奨学金があるように見えますが、受かるには結構な労力をどれも必要とするため、とりあえず手出すというのは結構疲れます。
そしてスケジュール管理が苦手な私みたいな人はぜったいどれかは〆切り終わってやらかした、となります。
なので、自分が受かる可能性が高いモノを絞って、それにむけてしっかり準備する、というのがとても大事!
2023年、2024年と2年間受けた結果、完全主観の受かりやすさはこんな感じです。
★★★ロータリー奨学金(2750地区グローバル補助金)
ロータリーのグローバル補助金合格のコツはとにかく、
<7つの重点分野> [7重点分野の具体例はこちら]
・平和と紛争予防/紛争解決
・疾病予防と治療
・水と衛生
・母子の健康
・基本的教育と識字率向上
・経済と地域社会の発展(MBA志願者は対象外)
・環境の保全
これにどう自分の研究・将来のキャリアに密接に関わってるのか、というのを詳しく書くことです。
また、自分がどの地区に所属しているのか調べるのがなぜかめっちゃむずかしいです。私は2023年、違う地区と勘違いして提出しそびれました。というのも、東京はなぜか南半分(世田谷区や港区)は、グアムやサイパンと同じ地区、という意味わからない構造なんです。
地区によって提出書類もその期限も全く異なるので、自分がどの地区かは早めに確認してください。
2750地区は東京なので、倍率高いかなとヒヤヒヤしてましたが、お金が潤沢なのか(?)受かる人数も多く、2024年は社会人経験のない学部生も多く受かっていたので、意外と狙い目かもしれません。戸籍があるところが田舎の人は倍率が低いから狙い目という話もよく聞きますが、東京でも諦めないでください!
1. 目的
国際ロータリー第2750地区ロータリー奨学生の制度は、グローバル補助金を利用し国際ロータリー第2750地区が独自に募集、選考、派遣を行なうものです。奨学生が海外留学を通じ、国際理解と親善を増進し、その国際経験と視野を持って、ロータリーが掲げる7つの重点分野に必要な知識と学力を身に付け、社会人として成長、貢献をしていくことを目的とします。また、ロータリーのネットワークを十分に活用し、ロータリークラブと地域社会と積極的に交流することによって、派遣国と受入国の間の懸け橋となることを目的とします。
2. 奨学金の期間、奨学金の額
2-1 奨学金の期間:1年間
2-2 奨学金の額:40,000米ドル
奨学金は、本人自身のエコノミー往復航空券代、授業料、教材費、学生寮二人部屋程度の下宿代、大学食堂程度の食費に対して、一律40,000米ドルが支給されます。
3. 募集人員
4名程度
★★フルブライト奨学金
フルブライト奨学金はとにかく募集が早い。
3月から始まってオンライン登録は5月で締め切られてしまいます。
そして6月末までにはけっこうボリューミーな提出書類すべて出さないといけない。
推薦状も3枚必要なので、3月から上司や教授にお願いしましょう。
5種類ありますが、私は大学院留学プログラムで受けました。
授業料も生活費も交通費も保険もでるし、なによりフルブライトに合格してます、というだけでアメリカの大学院は格段に合格しやすくなります。(大学によりますが、私が受けたオハイオ州立大学は、選考ルートが違うとアドミッションオフィサーに言われました。)
それだけフルブライト奨学金は信用力が上がるので、お金に困ってない人もアメリカ留学するなら受ける価値があります。
ただ、注意したほうがいいのは、授業料全額といっても、上限があることです。
私のときは1年目400万円くらい、2年目がその半額までで、アメリカの私立はフルブライトだけじゃ賄えません。
州立大学がギリくらい(州立大学も大学によって全然授業料違うので調べるのも面倒でした)なので、そこは注意です。
フルブライト奨学金は志望校リストも提出しないといけなくて、それをどういう基準で選んだのかというのも選考に結構影響します。(理論系なのか、実践系なのか、そこがまぜこぜだと、適当に大学選んだんだなとされてしまいます。)
あと、コツは倍率が低い専攻を狙うこと。
たとえば、専攻の分類があって、国際関係(政治)とかは倍率高そうだけど、ジャーナリズムだと倍率はそこまで高くなさそう、とか。
詳しく書くときりがないので、フルブライトはまた別記事を出します。
★★チーブニング奨学金
チーブニングはフルブライトのイギリス版。授業料全額(フルブライトと違って上限ない!アメリカが高すぎるだけだけど。)生活費、交通費も貰える手厚い奨学金。
募集時期もわりと遅め、秋くらいです。
私は2023年は書類落ちて、2024年は書類合格しました。
面接結果は6月なのでどうなるか、、。
チーブニングは書類で聞かれる質問内容がだいぶ特殊で、ほかの奨学金の使い回しができません。
むりやり使い回して提出したら2023年は落ちました。
今年合格できたのは、ちゃんと時間をつくってチーブニングのための書類をきちんと書いたからだと思います。
チーブニング奨学金ははっきりと、リーダーシップとコネクティングスキル(社交性)を重視してます、と書かれていて、書類も面接もその2つがメインです。
チーブニングも別記事で合格した書類解説記事書こうかなと思います。
★★スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団
スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団は私はデンマークの大学のために受けて、50万円ほど貰えました。合格者をみていても大学院留学で合格している人はだいたいこれくらいの金額そう。
少ないけど足しにはなるので、北欧の大学に行きたい人はおすすめ。
共通する合格書類の書き方コツ
2年間受けてわかったコツは、
1.早めにその奨学金に受かった人を見つけてコツを聞く。
私はSNSなどで検索して、メッセージ送りました。(優しい方は提出書類を見せてくれたり、自分の書いたものを添削してくれたりします。私も本当に多くの人に助けられました。)
2.この奨学金は日本のため(留学で得た知識を日本に持ち帰って、日本の問題改善をしてほしい)か、世界のため(留学で得た知識を世界の貧困紛争環境など問題改善に生かしてほしい)かどっち向けなのかを把握すること!
書類作成において、ここが一番のミソです。
その奨学金がどういう人を求めているから、こういうストーリーを作る。
この作業が奨学金書類作成の要です。
上記でいくと、フルブライト、チーブニング、スカンジナビアササカワは留学先の国で得た知識を日本に持ち帰って、日本の問題改善をしてほしいタイプ。フルブライトはアメリカ専用、チーブニングはイギリス専用、ササカワは北欧専用なので、『日本の●●が問題で、その国では△△の研究が盛んで、だからその国で研究して、得た知識やスキルを日本に持ち帰りたい。』というストーリーを書くために、いろいろリサーチする作業が必要です。これがわりと時間かかります。
ロータリーは国指定がありません。世界にはこんな問題があるから、その分野で世界的に有名な●●大学院で研究して、将来世界に貢献したい、というストーリーになります。
下記、私が落ちたもの。感想付けてるので自分ならいけそうと思うのはチャレンジしてみてください。
★世界銀行(日本/世界銀行共同大学院奨学金制度;JJ/WBGSP)
世銀奨学金はめっちゃ倍率低いからだれでも受かる、という噂を信じてたらコロッと落ちました。それは数年前の話で、もう倍率も上がっちゃってるんでしょうね。2023年しっかり書類用意して落ちたので、2024年は受けてません。ただ、3年以上NGOで働いていて、この奨学金のリストに載っている大学院コースを受ける方は合格しやすいのでは?と思います。LSEやSOAS、Sussexなど開発系行きたい人に人気のコースも結構入ってるので、この奨学金目指しで志望校探すのもアリかも。(このリストに載ってない大学院でも応募することはできます。私は載ってないところを志望校にしてて落ちました。)授業料生活費全額なので、フルブライトやチーブニング奨学金並みに手厚いし、国連や世銀に行きたい人はこの奨学金でいきましたっていうのも箔がつきそうなので、受かったら最高だと思います!
奨学金は全額を日本政府が負担しており、各奨学生は奨学金支給期間に以下の資金を提供されます。
- 奨学生がまだ大学院課程に在籍していない場合、大学院課程の開始時に奨学生の日本から留学先までの片道エコノミー・クラス航空券の料金と、旅費として500ドル
- 奨学金支給期間の終了時に、奨学生が大学院学位取得に必要なすべての要件を満たしている場合、留学先から日本または奨学生の雇用が確定している途上国までの片道エコニミー・クラス航空券の料金と、旅費として500ドル
- 奨学金支給期間に、大学院課程の授業料と、大学を通じて加入できる基本的な医療保険の保険料
- 奨学金支給期間に大学構内で生活する場合、生活費全般(宿泊費、食費など。教科書代も含む)を賄うための月々の生活費。金額は留学先の国によって異なる。
★エラスムスプログラム
エラスムスプログラムは、ヨーロッパの国2年間2~4つの大学院で修士号がとれるおもしろいプログラム。しかも、2年間で18000ユーロとかのコースが多くて、イギリスも入ってたりします。
だいたい、イギリスの修士は1年で授業料400万円以上かかるので、これでいけると超お得。
しかも、奨学金付きで合格すれば、授業料全額、生活費全額免除、なんていうのもあります。
サイトが見にくくてすぐ迷子になるのですが、このページからどんなコースがあるのか検索できます。(ブックマークしておかないとどうやってこのページにとんだか分からなくなるくらいわかりにくいサイト。)
これは応募するプログラムによって、奨学金の有無も、あるとしても合格率や支給額も全然違うので、本当にコースによります。
私は奨学金付きでは合格できませんでしたが、奨学金なしでerasumus media, journalism and globalisationに合格しました。(1年目デンマーク、2年目ロンドン)
ロータリー奨学金で授業料も生活費も賄える金額なので、奨学金はあわよくば、で受けるのがおすすめです。
★CWAJ海外留学大学院女子奨学金
CWAJ海外留学大学院女子奨学金 CWAJ Cartier 奨学金
どちらも募集人数 1名 支給額 300万円
女子専用のめずらしい奨学金。この2つはセットで受けれます。2023年に受けて書類が通って大歓喜しましたが、面接で落ちました。面接も手応え的には悪くなくて落ちたので、2024年は受けても落ちるだろうなと思って、労力を考え受けませんでした。受かるのが一人なので、まあまあ運ゲーだと思います。
★重田教育財団
重田教育財団は2023年に受けて落ちました。ここは募集締め切りが遅いので、大学合格してからさてどうしよう、という人も受けれます。そこまで書類大変ではなかった気がします。
応募資格
以下の(1)~(5)のすべてに該当する者。
(1) 日本国籍を有する者
(2) 海外の大学又は大学院への入学が決定している者
(3) 経済的な理由により留学費用の支弁が困難であること
(4) 学業優秀且つ品行方正であること
(5) 就学状況及び生活状況について適時報告できること
※但し、学位取得を目的とする 2 学年以上の正規留学を対象とし、語学留学・短期留学等は対象外とします
2 募集期間
2023 年 5 月 1 日~同年 6 月末日
3 給付の金額及び期間
・給付金額
月額 200,000 円(年額 2,400,000 円) ※年額を 2 回に分け、9 月・3 月の一定日に給付します
・給付期間
2 年間 ※2023 年 9 月より給付を開始します
4 採用人数 5 名
★JASSO
JASSOは募集人数がほかの奨学金と比べて圧倒的に多いので受かる可能性は高いかも。
ただ私はJASSO式の成績換算ではまったくもってGPA足りなかったので諦めました(笑)
成績の換算法が注意で、イギリスやアメリカ式の換算では、F(単位落としたもの)は入れなくてよかったり、SとAが4で換算できたりするのですが、JASSO式ではSが4、Aが3で計算しないといけなかったりした気がします。
私は米英式ならGPA3.3でしたが、JASSO式では3なかったです、、。
あと書類がものすごく大変、とみなさん口を揃えていいます。(所得とか源泉徴収提出とかもあるのかな)貰える金額もイギリス、アメリカの大学院の授業料は全然賄えないので、私的にはロータリーとかの方がお金もいいし労力も楽なのでそちらがおすすめ。(おすすめというか提出できる立場にすらなかったのであれですが。)
★公益財団法人 伊藤国際教育交流財団
伊藤国際奨学金はフルブライト並に手厚い奨学金。けど、書類が結構重め。研究計画書をしっかり書かないといけない。フルブライトはA4一枚くらいだけど、その倍くらい書かないといけなかった。(経済学部で遊んで卒業した私は卒論書いてないので無理でした。)しかも手書きで書かないといけない書類ページが多くてこれがめっちゃ大変。そしてこんなに頑張ったのにコロッと落ちました。2023年落ちて、2024年は書類だいぶ修正してしっかり書いて落ちました。合格している人に何人か会いましたが、みなさん研究計画書のクオリティが高そうでした。私のように研究がっつり志向ではない人は、ちょっとハードル高めな奨学金だと思うので、研究計画書に自信がない人は、労力を考えると受けなくてもいいかも?
研究テーマの分野は問いません。
募集人数 10名程度
2024年度募集期間 2023年6月26日(月)~8月25日(金) 当日消印有効
選考方法 書類選考
面接選考(書類選考通過者のみ)
採否通知 採用、不採用いずれの場合も、最終的な結果を、12月中旬までにはお知らせ
生 活 費 月額US1500~2000ドル相当の円貨
※地域によって異なる。
※為替レートの変動により生活費(円貨支給額)を調整する。
学費 実費 (年間300万円以内)
往復旅費 実費 (限度額範囲内)
支給期間 原則、2年以内とする。
★本庄国際奨学金
本庄国際奨学金は書類はそこまで重くなかった気がします。2023年受けて落ちました。2024年は受けてません。受かった人も身近にいないのでコツわかりません。
以下の金額と期間のうち、最終目標とする学位取得までの最短年限にあたる期間を奨学金支給期間とします。
支給開始後の期間の変更はできません。
(1) 月額 21 万円を 1 年間~2 年間
(2) 月額 19 万円を 3 年間
(3) 月額 16 万円を 4 年間~5 年間
まとめ
だいぶ雑にまとめましたが、どれが受かりやすくてどれが受かりにくいか、その情報を去年の私は喉から手が出るほどほしかったので、本当に主観的ですが書いてみました。
次はもう2025年の募集が始まっているフルブライト奨学金の書類・面接を詳しく書きたいと思います:)